米Motorolaは同社Life Sciences部門のCodeLinkバイオアレイ事業を英Amersham plcに売却することを米国時間7月25日,明らかにした。Amersham社は2000万ドルを支払うとともに一部の負債を負担し,CodeLinkの資産の一部を取得する。

 CodeLinkは生体医療などに必要な遺伝子解析用ツールの開発を手がけてきた。バイオアレイとは遺伝子やタンパク質を配置した非常に小さいスライドガラスで,特定の病気で遺伝子やタンパク質がどのように発現し,あるいは消失するかを研究するために利用される。

 Motorola社はエレクトロニクス製造の知識を生命科学業界に応用し,1998年に「CodeLink Bioarray System」を開発してバイオアレイ市場に参入した。2000年6月にはClinical Micro Sensors社を買収し,臨床および診断アプリケーション向けのバイオアレイ「eSensor DNA Detection System」を取得している。

 「Motorola社は優れた生命科学チームを組織し,高品質で価値の高い製品を開発してきた。まだ可能性があると信じるこの事業から撤退するのは難しい決断だった。しかし我が社は通信およびエレクトロニクスという中核事業に注力する」(Motorola社役員会長兼CEOのChristopher B. Galvin氏)

 Motorola社Life Sciences部門のeSensor事業については,「ビジネス・モデルと財務条件を検討しながら,(開発製品の)市場投入の好機会を探る」(Motorola社)としている。

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