米国の大手製薬会社のPfizerと米Microsoft,米IBMの3社は米国時間10月10日に,開業医などの小規模医療機関に向けてソフトウエアやサービスを提供する会社を設立したことを明らかにした。社名は「Amicore」。本社をニューヨーク市に置く。

 「医師の医療事務にかかる作業負担を減らし,より多くの時間を医師本来の仕事である質の高い患者ケアに向けてもらう」(3社)。

 Amicore社は,独立した販売,マーケティング,製品開発部門のスタッフを揃え,直ちに営業をはじめる。

 3社は同時にAmicore社が医療向けアプリケーション開発を手がけるコネチカット州の米PenChartを買収することも明らかにした。

 Amicore社が当初提供するのは「Amicore Practice Suite」と呼ぶソフトウエアである。これはPenChart社が開発した医療ワークフロー・ソフトウエアをベースにしている。小規模医療機関における,管理業務,医療業務,財務の統合/自動化を図り,開業医と研究室,薬局,患者などを結ぶ。

 Amicore Practice Suiteは,Windowsプラットフォームで動作し,Tablet PCやモバイル機器,.Net技術などを用いる。これらにより「医師にとって重要なデータをいつでもどこでも提供できるようにする」(3社)。またIBM Global Servicesが,顧客システムのインストール・サービスなどを提供する。

 3社によれば,「PenChart社のソフトウエアを用いることで,紙の書類における,記録業務や情報取り出しにかかるコストのほぼすべてを削減することができる。処方箋作成などにかかるコストを80%以上減らせる」という調査結果があるという。

 なおこの共同事業の計画については,Pfizer社が米国時間3月29日に明らかにしており,このとき全米の医療機関の70%を占める小規模な医療機関に製品とサービスを提供していくなどと発表していた

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