米IBMは生命科学市場におけるビジネス機会創出を支援する取り組みについて米国時間2月20日発表した。支援対象は再販業者,ソフトウエア開発者,販売代理店,ソリューション・プロバイダ,IBMビジネス・パートナー。これにより「今後2年間で,数100社のIBM Business Partnerを新たに募る」(IBM社)という。

 「販売/技術/教育/マーケティング関連のサポートを提供し,生命科学市場向けにIBM社の製品を販売する企業が,迅速かつ容易に利益を得られるよう支援する」(IBM社)

 IBM社はこの取り組みを「ビジネス・パートナーとの協力関係強化を意味するもの」と位置づけており,これにより「増大し続ける生物/化学データを,統合/分析/管理するためのITソリューションを提供する」という。同社は先ごろ,Accelrys社,米LabBook,LION bioscience AG社,オーストラリアProteome Systemsなどの生命科学企業との提携を発表していた。

 IBM社はまた,生命科学関連ソフトウエア企業に対し,「eServer」プラットフォームのサポートを強化することも明らかにした。サポート対象には,Linux対応サーバー「eServer xSeries」と「AIX」対応サーバー「eServer p690(開発コード名:Regatta)」で構成する「eServer Clusters」が含まれる。

 さらに同社はIBM Business Partnerと共同で,生命科学分野におけるビジネス機会を利用するための包括的な事業プラン開発に取り組む。「生命情報科学ソフトウエア・ベンダーとの関係も強化する」(同社)

 なお,米Frost & Sullivanが生命科学分野におけるIT市場を調査したところによると,市場は19%の複利成長率で拡大しているという。「医薬品,バイオテクノロジ,バイオインフォマティクス,バイオコンテント,政府/研究機関,医療機器/診断学,電子医療,農業科学といった分野におけるIT関連の市場規模は,2004年までに400億ドルを超える」(Frost & Sullivan社)

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