米Apple Computerが米国時間2月7日に,BLAST用検索ソフトウエア「Apple/Genentech BLAST」を発表した。BLASTとは,DNAまたはタンパク質の配列の類似性を検索できるデータベースのことで,バイオメディカル(生物医学)研究や薬品開発に利用されている。

 Apple社によると,「Apple/Genentech BLASTの性能は,同社のデスクトップ・パソコン『デュアル1GHz Power Mac G4』を用いて一般的な検索を行った場合,動作周波数2GHzの米Intel製『Pentium 4』を搭載したシステムで米国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI:National Center for Biotechnology Information)の検索プログラム『NCBI-BLAST』を動作させるよりも5倍以上高速」(Apple社)という。

 Apple/Genentech BLASTはApple社のAdvanced Computation Group(ACG)部門と米Genentech,スタンフォード大学遺伝学部が共同で開発した。

 「Apple/Genentech BLASTを使うことで,研究者は基礎的なバイオメディカル研究や薬品開発で遺伝子情報をより効率的に利用できる」(Genentech社研究部門上級バイス・プレジデントのRichard H. Scheller氏)

 Apple社はApple/Genentech BLASTをオープン・ソース・ソフトウエアとして提供する。NCBIと協力し,バイオメディカル・コミュニティがApple/Genentech BLASTのコードを容易に利用できるようにする。Apple/Genentech BLASTのコードおよび性能解析の情報はWWWサイトから入手できる。

◎関連記事
米アップルがデュアル1GHz版の「Power Mac G4」を発表,800MHz版「iMac」を出荷開始
米ファイザーと米MS,米IBMが小規模医療機関向けソフト/サービスの新会社を
MicrosoftとIBMがPfizerに協力,医療機関にソフトとサービスを供給する新会社を設立
ノーベル賞受賞者たちが未来のインターネットの役割を予測
東芝が患者の個体差に応じた治療が可能なC型肝炎用DNAチップを開発
全米科学財団が1200万ドル規模のミドルウエア開発プロジェクトを立ち上げ
米コンパック,米エネルギー省などとスーパーコン開発,バイオ研究向け
米IBMとNuTecがスーパーコンを開発中,遺伝子研究向けで7.5TFLOPS

[発表資料へ]