「APBioNetは,英LION bioscience社,米Cray社,シンガポールのKOOPrime社と協力してワークフロー・プラットフォーム構築に向けてパイロット・プロジェクトをテストしている」。アジア太平洋地域でバイオインフォマティクスを促進する非営利団体のAsia Pacific Bioinformatics Network(APBioNet)が,現地時間6月20日に発表した。

 APBioNetは,生命科学の研究者が使用しているバイオインフォマティクス・ソフトウエアのベンダ,データベース・プロバイダ,測定装置間における統合性と相互接続性の欠如が大きな問題であると認識している。そのため,同パイロット・プロジェクトはこの問題に対処するためのたたき台であると説明している。

 これは,バイオインフォマティクス・データベース・プロバイダであるLION bioscienceのSRSシステムとCrayのスーパーコンピュータをKOOPrimeのアプリケーション・インテグレーション・システムを使って統合するもの。

 KOOPrimeのアプリケーション・インテグレーション・システムにより,ユーザーはデータベース・アクセスと計算分析ができる研究室のデバイスから,データ処理と測定装置をコントロールできるようになる。

 APBioNetは,個人的に再利用できるとともにパブリックに分散されたワークフローの実現と,インターネットを介してデバイスからデータベース,コンピュテーション・サーバーへのシームレスなデータ・フローの実現を目指している。この実現により,相互運用性のないシステムの統合に関する問題の軽減を狙っている。

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