米IBMは米国時間7月17日に,2002年第2四半期の決算を発表した。売上高は200億ドルで,これには同社が日立製作所に売却を決めているハード・ディスク装置部門の売上高3億7900万ドルを含んでいる。なお同期の売上高は,前年同期に比べ7%の減少だった。

 マイクロエレクトロニクス部門の再編成,ハード・ディスク装置部門の売却,リストラなどの一時的な費用を含めた場合の純利益は5600万ドル(希薄化後の1株当り純利益は3セント)。一時的な費用を除いた場合の純利益は14億5000万ドル(希薄化後の1株当り純利益は84セント)で,前年同期の純利益は20億ドル(希薄化後の1株当り純利益は1ドル15セント)だった。

 ハード・ディスク装置部門を除く継続事業ベースでみた場合の,売上高は197億ドルで,前年同期比6%減(為替差損を含まない前年同期比は6%減)。一時的な費用を含めた場合の純利益は4億4500万ドル(希薄化後の1株当り利益は25セント),一時的な費用を除いた純利益は16億ドル(希薄化後の1株当り利益は89セント)で,前年同期の希薄化後の1株当り利益1ドル17セントから減少した。

 継続事業ベースの売上高を地域別でみた場合,米大陸が90億ドルで前年同期比5%減(為替差損を含まない前年同期比は4%減)。欧州/中東/アフリカは56億ドルで同3%減(同7%減),アジア太平洋地域は41億ドルで同3%減(同2%減)となっている。OEM収入は8億4400万ドルで同32%減(同32%減)だった。

 部門別にみると,メンテナンス事業を含めたGlobal Servicesの売上高は87億ドルで,前年同期と比べて1%減少した(為替差損を含まない前年同期比は2%減)。メンテナンス事業を除いたGlobal Servicesの売上高も,前年同期比1%減(為替差損を含まない前年同期比は2%減)だった。なお,IBM社は同期に106億ドルのサービス契約を締結した。

 ハードウエア部門は売り上げが同16%(同17%)減少し,67億ドルとなった。同社のサービス事業のほとんどで売上高が相当落ち込んでいる。ただし,メインフレーム「zSeries」の出荷が4%増加した。パソコンの売上高は,前年に比べ低下した。半導体製品に対する需要低迷が続いている影響で,マイクロエレクトロニクス関連の売上高も減少した。

 ソフトウエア部門の売上高は33億ドルで,同8%増(同7%増)。なお「WebSphere」「DB2」を含むミドルウエアがソフトウエア売上高の80%を占めており,為替差損を含まない場合の売上高は同期比10%増となっている。eビジネス・ミドルウエアWebSphereの売上高は前年同期比17%増。データベース管理ソフトウエア「DB2」は前年同期比11%増で,これは同社が買収した米Informixの製品の影響とみる。米Tivoliによる売上高は前年同期に比べ持ち直しているが,OSの売上高は減少している。

 Global Financing部門の売上高は8億2500万ドルで,同2%減(同3%減)。Enterprise Investmentsとそのほかの部門は同23%減(同22%減)。

 IBM社の同期における粗利率は37.0%で,前期に比べ約1ポイント上昇した。前年同期は38.3%だった。

 決算の内容について,IBM社社長兼CEOのSamuel J. Palmisano氏は以下のように述べている。「この10年間の最も厳しい経済状況のなかで,当社が200億ドルの売上高を達成したことを誇りに思う。当期の業績は,このように困難な市場にあっても,当社の体制と目標に対する戦略が強力であることを示している。さらに,当期は積極的な行動を取り,これが業界における当社のリーダーシップ強化と,コスト/経費構造の改善をもたらすだろう」

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