米IBMが米国時間4月17日に,2002年第1四半期の決算を発表した。売上高は186億ドル。前年同期の売上高210億ドルに比べて12%の減少(為替差損を含まない場合は9%の減少)となった。純利益は11億9000万ドルで,前年同期の17億5000万ドルに比べ32%減となった。

 希薄化後の1株当り利益は68セントで,前年同期の希薄化後の1株当り利益98セントに比べ31%の減益である。

 売上高を地域別でみた場合,米大陸が81億ドルで前年同期比9%減(為替差損を含まない前年同期比は8%減)。欧州/中東/アフリカは51億ドルで同8%減(同4%減),アジア太平洋地域は39億ドルで同9%減(同3%減)となっている。OEM収入は13億ドルで同37%減(同37%減)だった。

 部門別にみると,メンテナンス事業を含めたGlobal Servicesの売上高は82億ドルで,前年同期と比べて3%減少した(為替差損を含まない前年同期比は1%増)。同社は同期に150億ドルのサービス契約を締結した。これは前年同期に比べ50%増に相当し,第1四半期における最高記録となった。サービス部門における粗利率26.0%で,前年同期に比べ0.5ポイント改善した。

 ハードウエア部門は売り上げが同25%(同23%)減少し,64億ドルとなった。顧客の購買延期と前年に比べ厳しい状況によりメインフレーム「zSeries」が減少した。「pSeries」「iSeries」,ストレージ製品の売上も,価格に対する圧力,新製品への移行,購買延期の影響で低迷した。なおパソコンの売上高は,需要低迷が続いたことで低下した。ハード・ディスク装置,マイクロエレクトロニクスなどの技術に関する売上は,両製品分野の低調により,2001年第4四半期から連続で減少した。

 ソフトウエア部門の売上高は29億ドルで,同1%減(同3%増)。なおミドルウエアがソフトウエア売上高の80%を占めている。eビジネス・ミドルウエア「WebSphere」の売上高が前年同期比53%増となり,これで12四半期連続で2桁成長となった。データベース管理ソフトウエア「DB2」は12%増。またOSの売上高は減少している。これにより,ソフトウエア部門算体の粗利率は前年同期比約1ポイント改善し,81.1%となった。

 Global Financing部門の売上高は7億8300万ドルで,同6%減(同3%減)。Enterprise Investmentsとそのほかの部門は,2億3700万ドルで,同14%減(同10%減)。

 IBM社の同期における粗利率は34.7%。前年同期は36.1%だった。

 IBM社社長兼CEOのSamuel J. Palmisano氏は,「2002年第1四半期は全世界で顧客が購買を延期し,その影響が当社の主要事業全体に出ている」と報告している。しかしその一方で,「このような厳しい状況下でも税引き前利益17億ドルを達成し,150億ドル以上ものサービス契約を得ることもできた。サービス,ソフトウエア,サーバー,高度なストレージ製品など優先度の高い分野で市場シェアを増加または維持するだろう」(同氏)と述べている。

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