ドイツのSAP AGが現地時間7月11日に,2002年第2四半期の決算速報と2002年通年業績の見直しを発表した。2002年第2四半期の売上高は約17億7800万ユーロ(約17億5400万ドル)で,前年同期の18億5300万ユーロ(約18億2800万ドル)に比べ約4%減となる見通し。

 ライセンス収入は約4億9600万ユーロ(約4億8900万ドル)で,前年同期の6億4600万ユーロ(約6億3700万ドル)から約23%の減収となる。従業員への株式報酬や買収に関する費用を除いた場合の営業利益は約3億2600万ユーロ(約3億2200万ドル)で,前年同期の4億2400万ユーロ(約4億1800万ドル)に比べ約23%減少する。

 地域別でみると,米大陸の売上高が5億9300万ユーロ(約5億8500万ドル)と,前年同期の6億7100万ユーロ(約6億6200万ドル)に比べ12%減。欧州/中東/アフリカ(EMEA)は約9億7600万ユーロ(約9億6300万ドル)となり,同9億6200万ユーロ(約9億4900万ドル)から約1%増加する。アジア太平洋地域(APA)は約2億900万ユーロ(約2億600万ドル)で,同2億2000万ユーロ(約2億1700万ドル)に比べ約5%減少する。

 「市場は相変わらず厳しい状態だ。販売を強化したにも関わらず,特に欧州と日本でいくつか主要な契約を締結できなかった」(SAP社共同会長兼CEOのHenning Kagermann氏)

 SAP社は同期の決算速報値に基づき,2002年通年の業績予測を修正した。売上高の前年比は5%~10%増にとどまる見通し。ちなみに,4月18日の時点では通年の売上高を前年比15%増と予測していた。なお,従業員への株式報酬や買収関連の費用を除いた営業利益率の見込みは修正しない。こちらは2001年の20%を1ポイントほど上回ると予測する。

 SAP社は,正式な2002年第2四半期決算を7月18日に発表する予定である。

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