米GartnerのDataquestが米国時間5月16日に，世界ITサービス市場に関して調査した結果を発表した。それによると，経済の失速によりIT予算の削減が進むため，2002年はITサービス市場のあらゆる分野で最悪の成長率を記録する。2002年における世界ITサービス市場の売上高は5570億ドルで，前年と比べてわずか2.8％増にとどまる見通しだ。
開発および統合分野が市場を牽引するが，この分野も2005年末まで急速に伸びることはない。Dataquest社ITサービス・グループ主席アナリストのKathryn Hale氏は，「“現在所有しているものを利用する”という手法が短期的な成長を支える。一方，2005年までのゆるやかな長期的成長を促すのは，コラボラティブなCRM，SCM，電子商取引ソリューションや，Webサービスの成熟である」と説明した。
■世界ITサービス市場の分野別売上高予測（単位：100万ドル） ---------------------------------------------------------------------- 分野 2001年 2002年 2005年 ---------------------------------------------------------------------- 開発および統合 157,624 159,116 199,491 管理サービス 100,346 106,954 140,638 ハードウエアの保守 およびサポート 97,299 97,578 105,206 ビジネスプロセスおよび 移行管理 89,703 94,879 129,097 コンサルティング 47,523 47,057 57,101 ソフトウエアの保守 およびサポート 32,248 34,062 42,161 教育およびトレーニング 17,540 17,822 22,507 合計 542,283 557,469 696,201 ---------------------------------------------------------------------- 出典：Dataquest社
管理サービス分野はITサービス市場で2位の立場を維持し続ける。「IT管理分野は，経済が低迷しているこの時期でも比較的好調だ。コスト削減と効率向上を図り，企業がIT管理を外注するためである」（Hale氏）
ビジネスプロセスおよび移行管理は，ITサービス市場の中でも大きく成長する分野である。今後数年で，ビジネスプロセスおよび移行管理分野はITサービス市場の3位に躍進するとみる。
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