米Hewlett-Packard(HP)が米国時間7月15日に,今後の事業計画について明らかにした。「HP Netaction Application Server」「HP Netaction Web Services Platform」「HP Web Services Registry」ミドルウエア製品を廃止する。「ソフトウエア戦略の変更にともない,ミドルウエアへの投資を再検討した結果の決断である」(HP社)

 HP社は上記3製品の技術をWebサービス管理やビジネス管理などの分野に利用するという。Netaction製品ユーザーへの詳細な移行プログラムは,2002年9月15日に発表する。

 同社が今後事業の柱とするのは,インフラ管理ソフトウエア「HP OpenView」,データ・センター運用支援の「HP Utility Data Center」,通信事業向けミドルウエア「HP Opencall」の三つのソフトウエア・スイートである。

 HP OpenViewでは,Webサービスへの対応を進め,ビジネス管理やオペレーション管理との統合を強化する。HP Utility Data Centerでは機能拡張を図り,データ・センターなどにおける問題発生の予測やインフラ・リソースのダイナミック(動的)な再配備を可能にする。Opencallの強化により,「無線/有線サービスおよび装置プロバイダとしての地歩を固める」(HP社)としている。

 また同社は,UNIX,Windows,Linux対応のWebサービス向けミドルウエア・ソリューションへは引き続き投資する意向を明らかにした。同社は米Microsoftや米BEA Systemsなどとの提携を拡大しており,.NETやJava 2 Platform Enterprise Edition(J2EE)への対応を進める。

 「今回発表した事業戦略により,我が社が資産とノウハウを所有する通信事業向けミドルウエアや音声およびデータ・サービス管理の差異化を図る。.NETおよびJ2EE対応の次世代サービスも視野に入れる」(HP社Software Global Business Unit部門上級バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャのNora Denzel氏)
 
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