バミューダ諸島に拠点を置く通信事業者Global Crossingは米国時間7月8日に,月次財務レポートをニューヨーク州南部地区米国破産審査裁判所に提出した。それによると,Global Crossing社のアジア地域以外の事業における5月の業績は,3月初めに債権者に提示した目標値を上回ったという。

 同レポートは,Global Crossing社が米連邦破産法11条を適用した再編プランによって提出を義務づけられているもの。

 同社のアジア地域以外の事業における5月のサービス売上高は,目標額より1000万ドル多い2億4500万ドルだった。サービスのEBITDA(利子,税金,減価償却費控除前利益)は1300万ドルの赤字で,予測していた損失1800万ドルより改善されている。

 5月31日時点の預金額合計も,同社の目標額7億3500万ドルを上回る8億8000万ドルとなった。また営業費用の削減にも成功し,目標の7500万ドルを下回る7100万ドルに抑えている。

 Global Crossing社が好業績をなし得ている理由の一つに,IPトラフィックの増加がある。インターネットへの需要は2002年初頭より着実に伸びており,同社の全世界におけるIPトラフィックは,1月から6月にかけて年率換算で400%増加した。なおこの数値には,VoIP(Voice over IP)ネットワークのトラフィックは含まれていない。

 「当社の最新の月次報告が示すように,昨年より開始した再編プランが功を奏している。経営再建が滞りなく進んでいることは明らかだ」(Global Crossing社CEOのJohn Legere氏)

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