長距離通信の米IDTが米国時間7月2日,米WorldComに対して一部の事業を50億ドルで買収する提案をしていることを明らかにした。

 買収提案の対象としているのはWorldCom社のMFS部門とBrooks Fiber部門,WorldCom社傘下のMCI Groupの消費者および企業向け長距離通信部門である。

 買収が成立すれば,「IDT社は電気通信業界における世界的に優位な立場を確保できる。米国経済の安定化にも役立ち,また,WorldCom社の顧客は引き続き質の高いサービスを受けることが可能だ」(IDT社)。

 なおIDT社は今回の提案に関して,他の金融企業あるいは電気通信企業が参加する可能性も示している。

 IDT社は,「WorldCom社がこの提案について早急に検討することが,さらなる顧客の損失と該当部門の価値の低下を防止するだろう」と述べた。

 IDT社は自社の電気通信バックボーンと光ファイバ網を通じて,長距離通信事業を全米および海外で展開している。電気通信企業やインターネット関連企業,メディア企業数社の株式を所有しており,最近では米Winstar Communicationsを買収している。

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