パイオニアの米国子会社Pioneer Electronics (USA)は米国時間6月21日,米Gemstar-TV Guide Internationalによる特許侵害訴訟に関して「特許侵害はなかった」とする判決が下ったことについてコメントを発表した。
この係争は,民生電子機器向けの録画予約技術を手がけるGemstar社が同社の特許を侵害しているとして,16カ月前にPioneer Electronics社を米国際貿易委員(ITC)に提訴したもの。行政法判事のPaul J. Luckern氏は,「パイオニア社製セットトップ・ボックスの輸入品はGemstar社の特許を侵害していない」との判断を示した。また,Gemstar社が特許の一つを誤用していることが判明したという。
「我が社の嫌疑が晴れた。この訴訟が終わることを望んでいるが,おそらくGemstar社はITCに今回の判決を再調査するよう申請し,連邦控訴裁に上訴するだろう。もしそうなったら,我が社は再び体制を整え,我が社にとって良い結果を得られるよう取り組むつもりだ(Pioneer Electronics社Business Solutions Division部門プレジデントのPaul Dempsey氏)
ただしDempsey氏は,「我が社はGemstar社とより良い関係の確立を図り,残りの訴訟を解決していくことを望んでいる」とも付け加えた。
一方Gemstar社は,判決の再調査をITCに申請する意向であるを同日明らかにした。「今回の判決は間違っており,法の適用が正しくなされていない」(Gemstar社)
最高法務責任者(CLO)兼顧問のJonathan Orlick氏は,「判決にはたいへん失望している。しかし,Gemstar社は引き続き自社の知的財産および特許の保護に努める」と述べた。
ITCがGemstar社の申請を承認するかどうかは,45日以内に決定する予定である。
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