米TRACE strategiesが米国時間5月8日に,米国のPVRサービス市場に関して調査した結果を発表した。それによると,市場は年平均150%で拡大し,2005年末には米国家庭の3610万世帯がPVRサービスを利用するようになるという。

 PVRサービスの普及で大きな役割を果たすのは,ケーブル事業者が提供する新たな統合サービス。米Motorola,米Scientific-Atlanta,Digeo社,Keen Personal Media社,Concurrent Computer社,SeaChange International社などのプラットフォームとサービスを組み合わせた統合PVRサービスは,2005年末までに2030万世帯のケーブル・サービス加入家庭が利用するようになる。

 一方,米DirecTVや米EchoStar Communicationsなどが提供する直接衛星放送(DBS)ベースのPVRサービスは,ケーブル事業者によるPVRサービスほど急速な拡大は見込めない。

 米Adelphia,米Charter,米Comcast,米Cox,米Time Warner Cableのケーブル事業者5社が,家庭におけるPVRサービスの普及拡大を牽引する。2005年にはこの5社によるPVRサービスが,ケーブル・サービス加入家庭の76%をカバーするようになる。

 ケーブル事業者は,顧客の確保,1世帯当たりの売り上げ増加,衛星テレビ事業者への対抗を図り,高速インフラを利用したVODへの投資に注力している。ネットワーク・ベースの複合PVRをはじめ,携帯/車載RVRモジュール,PVR対応デジタル・セットトップ・ボックスなどを利用したオンデマンドの番組配信や焦点を絞った広告を提供する計画だ。

 その結果,DBSベースのPVRサービスのシェアは,2001年の70%から2005年には41%に減少する。米TiVoや米SONICblueなどによるスタンドアロンのPVRサービスは2005年までに38%成長するが,家庭向けPVRサービス全体に占めるシェアはわずか3%にとどまる。

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