米QUALCOMMが米Oracleが「Oracle 9i Lite」を拡張し,QUALCOMM社のCDMA携帯電話機向けアプリケーション開発プラットフォーム「Binary Runtime Environment for Wireless(BREW)」に対応させる。QUALCOMM社が米国時間6月5日に明らかにしたもの。これにより企業などは,BREW対応機器用の企業向けモバイル・アプリケーションを開発/導入できるようになる。

 BREWプラットフォームは無線機器用のアプリケーション実行環境で,無線アプリケーション開発,機器設定,アプリケーション配信,課金,支払いなどを行える。このBREWソリューションは,開発者向けの「BREW Software Development Kit(SDK)」,機器メーカー向けのアプリケーション・プラットフォームと移植ツール,キャリアが利用する「BREW Distribution System(BDS)」で構成する。

 BREW対応機器でモバイル・アプリケーションを動作させると,Oracle 9i Liteデータベース内にキャッシュされたデータにアクセスできるようになる。また,「Oracle 9i Application Server」の同期機能を利用すると,クライアント側のアプリケーションで,無線やクレードル経由でサーバー上のデータとの同期が行える。さらにBDSを使って,アプリケーションのインストール/回収/更新も可能になる。

 QUALCOMM社ワイヤレス&インターネット・グループ担当社長のPaul E. Jacobs氏は,「ミッション・クリティカルな情報にどこからでもアクセスできる手段をビジネスマンに提供することで,企業は世界中に広まった第3世代(3G)CDMAシステムを活用し,生産性を向上できる」と説明する。「BREWプラットフォームとOracle 9i Liteのモバイル・クライアント・サービスの組み合わせにより,中核となる企業アプリケーションを“モバイル化”する」(同氏)

 なお米Verizon Wirelessが同日,BREWプラットフォーム用アプリケーションを使ったモバイル機器向けエンタテインメント情報サービスを提供すると発表した。サービスの開始は6月17日を予定する。

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[発表資料(Oracle 9i LiteのBREW対応)]
[発表資料(Verizon社のBREW対応サービス)]