米Oracleが米国時間3月25日に,Java2 Platform Micro Edition (J2ME)に準拠するデバイス上で動作する企業アプリケーション開発を簡略にする「Oracle9i JDeveloper J2ME Add-In」と「Oracle9i Application Server (Oracle9iAS) J2ME Developer Kit」の提供を発表した。両製品により,Java開発者はJ2MEに対応する企業向け無線アプリケーションの構築と配備が容易にできるようになるという。両開発ツールは,同社のオンライン開発者コミュニティ「Oracle Technology Network (OTN)」から無償でダウンロードできる。

 J2ME技術は,インタラクティブ・ゲームとその他の家電アプリケーションを作成する開発者の間で広く普及している。しかし,ハンドヘルド・デバイスのメモリーと処理能力の制約が,企業データベースなどのバックエンド・リソースにアクセスするビジネス・アプリケーション構築の障害となっていた。

 今回発表された開発ツールでは,XMLベースの技術によりこれらの障害に対処し,ビジネス・データとリモート・サーバー上のアプリケーションにアクセスできるJ2MEアプリケーションの開発が可能になるという。

 それぞれの開発ツールの概要は次の通り。

・「Oracle9i JDeveloper J2ME Add-In」
「Oracle9i JDeveloper」でJ2MEデバイス向けビジネス・アプリケーションを開発するJava開発者向け。コード生成ウィザード,J2MEデバイス向けモバイル,無線アプリケーション開発の自動化と迅速な配備を行うプロダクティビティ・ツールを収録。単一の開発環境内に,J2MEアプリケーションの作成,コンパイル,デバッグ,パッケージ,配備,実行,プロファイルに必要とされるものをすべて収録している。

・「Oracle9i Application Server J2ME Developer Kit」
J2MEデバイス向けの企業アプリケーション構築と配備のためのアプリケーション・プログラム・インタフェース(API)群を提供。Oracle9i Application Serverを通じて提供される無線情報・サービスにWWWサービス技術を使ってアクセスし,J2ME対応デバイス上に表示する。Java開発者は,次のような無線サービス向けJ2MEアプリケーションを作成可能となる。
―メッセージング・ベースのWWWサービス
SMS,音声または電子メール・メッセージング機能
―ロケーションベースのWWWサービス
マッピング,ドライビング・ナビゲーション,ルーティング機能
―SQL WWWサービス
データベース・アクセスのための仮想J2MEプロキシ
―規則ベースのアラート
イベント・ベースの通知

 「今まで,具体的にJ2MEデバイスとバックエンド・データ,アプリケーションの橋渡しするものがなかった。我々は,J2MEアプリケーション開発を容易にし,同技術をビジネス・アプリケーションに向けることで両者の橋渡しをする」(同社)。

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