米QUALCOMMは米国時間9月25日に,韓国の無線キャリアKorea Telecom Freetel(KTF)がQUALCOMM社のBREW(Binary Runtime Environment for Wireless)プラットフォームをベースにしたデータ通信サービスを2001年11月に始めることを明らかにした。BREWサービスの提供はKTF社が世界で初めてとなる。

 BREWはcdmaOne向けのアプリケーション開発プラットフォーム。Java言語や静止画,動画,音楽などを使った携帯電話機向けアプリケーションを,ソフトウエア開発業者が迅速に作成できるようにするためのプラットフォームである。BREWサービスでは,ユーザーが所望の無線アプリケーションを携帯電話機にダウンロードし,端末を用途や好みに合わせてカスタマイズできる。

 KTF社はすでに9月8日からソウルで一般向けのトライアル・サービスを開始しており,10月末までの約50日間に合計5000人のトライアル・ユーザーが試験的に利用する。

 KTF社が提供するのは,「magic n multipack」と呼ぶCDMA2000 1Xベースのマルチメディア・サービス。ゲーム,エンターテインメント関連,メッセージング,ナビゲーションなど約150のサービスを用意する。トライアルで利用できるのは,GeaSoft社のナビゲーション,Anicom Software社のゲーム・ソフトなど。

 携帯電話機は韓国のLG電子およびサムスン電子の2社が提供する。カラー液晶画面を使った携帯電話機である。

 BREW対応サービスの提供に関し,QUALCOMM社が提携しているキャリアには,KTF社のほか,KDDI,米Verizon Wireless,米Leap Wireless,メキシコPegasoなどがある。 QUALCOMM社はWWWサイトでBREW対応アプリケーションのベンダー企業リストを公開している。

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<市場>
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