米Advent Networksと三菱商事が米国時間6月5日に,日本のケーブル事業者がAdvent社のブロードバンド用技術「Ultraband」システムを導入すると発表した。導入を行うのは,TOKAIグループの子会社である厚木伊勢原ケーブルネットワーク。同社が東京地域で展開しているHybrid Fiber Coax(HFC)で,2002年の夏にUltrabandシステムの試験運用を開始する。

 Ultrabandシステムはブロードバンド接続用のプラットフォーム。ケーブル事業者は既存のHFCネットワークを使い,加入者に専用のスイッチドIPを提供できる。

 厚木伊勢原ケーブルネットワーク社長の藤原智哉氏は,「ケーブル・モデムでは満足できず,光ファイバ品質の専用帯域接続を求める企業および個人顧客が増えている。Ultrabandシステムはこの状況に対応できるだろう」と説明する。「複数のプラットフォームを検討したところ,当社の求める次世代ブロードバンド接続に最も合致したのがAdvent社のシステムだった」(同氏)

 なおUltrabandシステムの試験運用には,三菱商事の子会社のヒットポップスが協力する。同社は,衛星を利用して,ストリーミング・ビデオ,音楽,アプリケーションなどのIPコンテンツ配信を手がけている。

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