総務省は1月29日,2001年12月末時点でのCATVインターネット加入者数が約130万であることを明らかにし,ADSL(asymmetric digital subscriber line)の加入者数が,2001年末時点でCATVインターネットを逆転していたことが判明した。現在,総務省はCATVインターネット加入者数の最終確認作業に入っており,1月31日に正式発表する予定。ADSLの12月末時点の加入者数は,すでに152万4348と発表済み。

 ADSLの加入者数は1カ月ごと,CATVインターネットは3カ月ごとに集計し,総務省が発表している。直近の3カ月の推移を見てみると,ADSLの加入者数は2001年9月末の約65万から,約87万増えて12月末に150万を突破した。一方のCATVインターネットは,9月末時点では約115万だったものの,12月末までの3カ月間の伸びは約15万にとどまった。CATVインターネット加入者の伸びが急激に落ち込んだわけではないが,ADSLが急成長した結果,ついにADSLに追い抜かれた。

 ただ,各CATV事業者も値下げや高速品目の追加などのADSL対抗策を進めている。例えば,関西エリアのCATV24局のユーザーに対してインターネット接続サービスを提供している関西マルチメディアサービスは,2001年11月に最大10Mビット/秒の「ZAQ」を月額6000円から月額5500円(ケーブル・モデムのレンタル代を含む)に値下げした。さらに2月には月額4900円(同)に再値下げする予定。東京や横浜などをサービス・エリアとするイッツ・コミュニケーションズと,奈良県を中心に事業展開する近鉄ケーブルネットワークは,今春に最大30Mビット/秒の高速CATVインターネット接続サービスを始める予定である。

(宗像 誠之=日経コミュニケーション)