米Lucent Technologiesは,ネットワークの高速化/効率向上に関する技術のライセンスを米Intelに供与した。Lucent社が米国時間5月1日に明らかにしたもの。これによりIntel社は,Lucent社の「TA1000」コントローラの開発を継続しておこない,その試験と製造を請け負っていく。

 さらにIntel社は,TA1000コントローラの「Transport Offload Engine(TOE)」技術を,同社が今後手がけるギガビットEthernetおよびネットワーク対応ストレージ・アダプタに採用する。

 一方Lucent社は,Intel社が製造したこれらのTA1000製品をLucent社のネットワーク製品に組み込む。

 TOE技術は,データ転送に必要なTCP,UDP,ICMPといったネットワーク・プロトコルを処理する技術。「これらのプロトコルの処理負荷を軽減することで,通信回線の速度を損なわないデータ転送を可能にする。ホスト・プロセサをほかのアプリケーションの処理に集中させられる」(Lucent社)

 ギガビットEthernet技術とStorage Area Networks(SAN)を利用する企業や,それらを提供する通信サービス・プロバイダにとって,TOE技術は特に重要なものになるという。この種の用途では,光ファイバや銅線を使ったネットワーク上で膨大な量の情報を転送しなければならないが、「TOE技術により,低コストで高性能のネットワーク・ストレージを導入できるようになる」(Inetl社通信グループ担当副社長兼プラットフォーム・ネットワーキング・グループ担当ジェネラル・マネージャのJim Johnson氏)

 Intel社は,TOE技術を使った製品を製造するだけでなく,相互運用性試験を実施し,またソフトウエアの開発,TOEエンジンの製品への組み込み用のサポートも提供していくという。

 なおLucent社は,先ごろ同社がリリースした「Packet over SONET(POS)OptiStar e.OC48c/STM16c Network Adapter」「OptiStar e.OC12c/STM4c Network Adapter」といった製品で,TOE技術を採用している。これらのIP Packet over SONET/SDHネットワーク・アダプタを使うことで,PCIバスを使った標準的なサーバーと光ネットワークを直接接続できるようになる。OSは,Linux,Solaris,FreeBSD,Windows 2000に対応する。

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