10GビットEthernetの標準化を進める「IEEE 802.3ae (10 Gigabit Ethernet) Task Force」は,米国時間の12月10日に,現行の10GビットEthernet標準の仕様のドラフトを認可し,Sponsor Ballot段階に入った。10GビットEthernetの普及促進を目指す業界団体「10 Gigabit Ethernet Alliance(10GEA)」が同日明らかにしたもの。現存のすべての技術的な問題がクリアされ,最終的な規格制定は,2002年の第1四半期に行われる予定。

 IEEEのドラフト規格案「IEEE Draft P802.3ae/D3.4」は,11月14~16日に米テキサス州オースチンで開催された「IEEE P802.3ae会議」にて,技術的問題は無いと認証されていた。これを受け,「P802.3ae Task Force」は,Sponsor Ballot向けに「IEEE Draft P802.3ae/D4.0」を提出した。

 また,先月開かれた会議にて,Task Forceは,すべての技術的な要件が満たされたことを認証していた。

 10GビットEthernetはデータ伝送速度が10Gビット/秒で,延長距離40kmのEthernetである。IEEE P802.3ae規格案は,大都市圏における大容量光リンクの低コスト・オプションとして提案されている規格であり,使用波長は850nm,通信速度は10Gbpsである。1310nmや1550nmの波長とシングルモード光ファイバーを用いた一般的な大容量光リンクと比較して,部品や光ファイバ・ケーブルのコストが半分から10分の1程度と安いため,10Gbpsの大容量短距離リンクを経済的に構成できるようになるものと期待されている。

 10GEAはIEEE(米国電気電子学会)の行っているIEEE 802.3の標準化作業を支援することを目的に,米3Com,米Cisco Systems,米Extreme Networks,米Intel,カナダのNortel Networks,米Sun Microsystems,米World Wide Packetsが発足した業界団体。IEEE 802.3ae Task Forceへの技術的助言も行う。

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