米SI Diamond Technologyの子会社Applied Nanotech(ANI)はカーボン・ナノチューブ技術を利用した14インチ(対角)のディスプレイを米国時間4月18日に発表した。安価なガラス基盤を使って製造する。フォトリソグラフィ技術を用いる必要がなく,「製造工程を大幅に簡素化する」(ANI)

 ANIがデモを行ったディスプレイはモノクロだが,「別の蛍光体を使えばカラー表示も可能」(ANI)という。

 「今回のデモンストレーションは,カーボン・ナノチューブ技術を小型で解像度の低いフルカラー画像表示から,テレビ放送に対応できる大型ディスプレイに発展させた重大な成果」(ANI)としている。

 今回発表したディスプレイの製造には,塗り分け(印刷)方式を用いることが特徴。ANIによれば,「必要な装置は簡単に入手可能。他のフラット・パネル・ディスプレイ技術と比べてわずかな費用で,既存の製造工場を再装備できる」という。

 また,ANIによると多くの専門家は,カーボン・ナノチューブをエミッタとして使用する電界放出ディスプレイが低コストで大型高画質の家庭向けテレビに適していると考えているという。

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