米Stanford Resourcesが米国時間7月3日に,世界のモバイル機器向けディスプレイ市場に関する調査結果を発表した。2007年に市場の売上高は3160億ドルに達し,台数は16億台にのぼるとみる。モバイル機器向けディスプレイ部品の市場は2001年の144億ドルから2007年には264億ドル規模に成長する。

 現在モバイル機器向けディスプレイ市場で最も大きい分野はLCDで,2007年までこの状態が続く。しかしOLED(organic light-emitting diode)ディスプレイのシェアが2001年の0.3%から2007年には8.3%に拡大し,年平均88%で急成長する。一方LCDの年平均成長率は8%である。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・2001年は,モバイル機器の90%が単純マトリクス・ディスプレイを採用している。しかし,性能が高く複雑なモバイル製品の需要が高まるにつれ,高解像度でカラーのアクティブ・マトリクス・ディスプレイが急成長するとみる。アクティブ・マトリクスを搭載したモバイル機器の出荷台数は,2001年~2007年に年平均30%で増加する。

・携帯電話機,PDA,ハンドヘルド・ゲーム機用に大きいディスプレイを採用するモバイル機器メーカーが増えている。2001年はモバイル機器の69%が超小型(1.xインチ)ディスプレイを採用しているが,その後,小型(2.x~4.xインチ)ディスプレイへの移行が加速する。

・世界におけるポータブル・コンピュータの台数は2001年の約2700万台から2007年には5700万台近くに達する。OLEDディスプレイはこの数年間,使われることはないが,2005年から超小型ポータブル・コンピュータに利用され始める。

・世界における携帯電話機の台数は2001年の約4億6200万台から2007年には9億600万台に増加する。モノクロ・ディスプレイの割合は2001年には90%に減少し,2007年は39%まで縮小する。次世代サービスが始まればカラー・ディスプレイへの要求が高まり,アクティブ・マトリクス・ディスプレイを搭載した携帯電話機の需要が増える。

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