電子インク(electronic ink)技術を手掛ける米E Inkが米国時間2月12日にキャラクタとセグメント・ディスプレイ向けの新しい“電子ペーパー”製品のプラットフォームを発表した。この製品ラインは,消費者家電,ポータブル機器,標識,ファッション・アクセサリ,幅広い商用または産業製品向けを狙っている。最初の製品は,OEM向けに年末の出荷を予定。現在,製品デザイナとエンジニア向けに評価キットを提供している。

 同社は,これまで電子インクをベースとしたディスプレイを,広告主向けの「Ink-In-Motion」アニメーション・スクリーン,およびPDA向けの高解像度のフラット・パネル・スクリーンの2つの市場部門に向けてマーケティングしてきた。今回のディスプレイは,解像度も含めてその中間に位置する製品となる。

 同社のCharacter and Segmented Displayのプラットフォームは,従来型のLCD,LED,VFDなどのディスプレイを使っているOEMに新しい選択肢を提供する。

 同社によれば,反射型LCDと比べて電子インクの消費電力は低いが,5倍の明るさを確保し,すべての照明環境において読みやすくなっているとともに,どの角度からでも読み取ることができるという。紙のように薄いセルとシャッタープルーフ・ディスプレイ・セルにまとめられており,エルゴノミクス(作業姿勢などの人間工学)製品と新しい製品設計の可能性を広げるという。

 同社は,Character and Segmented Displayの評価に興味を持つ製品デザイナ,開発者,エンジニア向けに開発キットを提供している。セグメント数が少ない電子インク・ディスプレイ・セルを直接操作する方法を説明するこのキットは,基本的な機能を持つデモ製品,,プログラム可能なセグメント・モジュール,いくつかの基本的な技術ドキュメンテーションが収録されている。

 また同社は,共同でソリューションの開発を行い,電子インクをアプリケーションに組み込むOEMと製造パートナーを求めている。

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