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紙のように軽くて薄いディスプレイ“電子ペーパー”を米ルーセントなどが披露

2000/11/21

 米E Inkと米Lucent Technologiesが米国時間11月20日に,紙のように使えるディスプレイ「電子ペーパー(electronic paper)」のプロトタイプを共同開発したことを明らかにした。LucentとE Inkの電子ペーパー

 電子ペーパーは,紙のように薄型・軽量で,柔軟性に富む表示装置。両社は共同で,プロトタイプのデモンストレーションを行った。電子ブックや電子新聞などに応用可能という。

 電子ペーパーは,両社が1999年10月に共同開発を発表していたプロジェクト。E Ink社は,Lucent社のほか,米Motorolaやベンチャー・キャピタル(VC)など数社が電子ペーパーの開発を目的として1997年に設立した未公開企業である。

 電子ペーパーは,E Ink社が開発した「電子インク(electronic ink)」技術とLucent社が開発したプラスチックに回路を形成する(プラスチック・トランジスタと呼ぶ)技術を組み合わせた。電子インクを用い,プラスチック回路を介して印刷,表示する。

 両社が開発したプロトタイプは,25平方インチのディスプレイで画素数は数百。電子インクは,何百万個ものマイクロカプセルから成る。マイクロカプセルの表と裏を白と黒に着色しており,これに電界を加えて色を変化させモノクロ表示する。

 一方のプラスチック・トランジスタは,Lucent社のベル研究所が1997年に開発した。プラスチックに印刷可能なアクティブマトリックスの回路技術である。カーボン・ベースの化合物にトランジスタを形成できる。アモーファス・シリコンのような高価なプロセスは必要ないという。

 プラスチック基板上にプラスチック製トランジスタと電子インクを印刷によって作り込むことができるため,薄型・軽量だけではなく,大幅な低コスト化が図れるとしている。

 ベル研究所のプラスチック回路の製造技術では,従来のシリコン・デバイスで必要だった複数のプロセスを省略,コストも削減できるという。高速のオープンリール式印刷技術に対応しており,一つのプロセスでプラスチックの大画面に表示が可能である。厚さや重さを標準的な液晶パネル(LCD)の約1/4程度に抑えている。

 スイッチは従来のTFT液晶よりも軽量化し,柔軟性を持たせた。ディスプレイは,暗がりなど様々な光の状態でも見やすいコントラスト(10:1以上)をもつ。視野角も広いという。

 電力はスイッチ回路だけですむため,同サイズのLCDと比べて1/10から1/1000程度と,消費電力を大幅に抑えることが可能という。当初のプロトタイプはテキストと簡単なグラフィックスのみに対応する。両社は,このプラスチック・トランジスタを組み込んだディスプレイに関し,5年以内の実用化を目指すという。

 E Ink社は,マサチューセッツ州ケンブリッジ(Cambridge)に拠点を置く。従来のSiトランジスタを用いた電子インクの表示ディスプレイ「Immedia」をすでに開発している。このディスプレイでは,画面の更新などで瞬時に表示を変えることができるという。

[Lucent社の発表資料]
[E Ink社の発表資料]

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