米DoubleClickは同社に対するプライバシ侵害の集団訴訟で原告側と和解に達したことを米国時間3月29日,明らかにした。DoubleClick社はオンライン消費者のプライバシ保護に注力しつつ,同社製品とサービスの提供を継続する。
今回の和解は,2000年1月に始まった集団訴訟に関するもの。3月21日にニューヨーク州南地区連邦地裁で審問が行われ,和解案が承認される予定である。
和解案の主な内容は以下の通り。
・DoubleClick社はオンライン広告サービスのプライバシ・ポリシーに分かりやすい説明を盛り込む。
・DoubleClick社は,収集した個人情報と以前にWebサイトから取得したクリック・ストリームの情報を照合する際は,インターネット・ユーザーにその旨を明確に通知し,ユーザーの同意を得る。
・DoubleClick社は,3億点におよぶバナー広告などを用いて,プライバシに関する消費者の教育に取り組む。
・DoubleClick社は消費者の許可を得ない限り,ユーザーのオンライン情報を情報取得時のプライバシ・ポリシーと異なる目的に使用しない。
・DoubleClick社は,オンラインを介して取得したデータを保護し,定期的に削除するための社内ポリシーを設ける。
・DoubleClick社は,今後2年間,同社が和解案に準じているか年次調査を受ける。DoubleClick社と関連のない会計事務所が調査を担当する。
・DoubleClick社は,最大180万ドルの訴訟費用を支払う。
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