プライバシ保護に取り組む業界団体TRUSTeと,プライバシ関連のコンサルティング会社米ePrivacy Groupが米国時間1月31日に,消費者向け広告電子メールの信頼性を確保するための取り組み「Trusted Sender」を共同で推進すると発表した。米Microsoft,オンライン広告大手の米DoubleClick,Topica社などが支持を表明しているという。

 TRUSTeは,個人情報の保護に努めているWWWサイトに“プライバシー・シール”を発行している米国の非営利団体。このシールでサイトが規定に順守していることを保証しているが,このしくみを広告電子メールにも取り入れるという。

 「Trusted Senderでは,企業や個人から送られてくる広告メールのなかから,ガイドラインに適合しているものを選別する手段を消費者に提供する」(TRUSTeおよびePrivacy社)

 具体的には,Trusted Senderが認定した企業が送信するメールのメッセージ右上隅部分にこの取り組みで定めるシールを表示する。

 これにより消費者は,以下の事柄を確認できるという。

・適合性:ガイドラインに適合した企業からの広告メールであること。

・内容の正確性:広告メールの題名が内容を正しく表していること。

・説明義務:プライバシ関連の問題をTRUSTeの紛争解決プログラムに持ち込めること。

・応答責任:これ以上の広告メール受信拒否を申し出るための窓口情報があること。

 「消費者はスパム・メールをプライバシ侵害と見なしている。Trusted Senderを利用することで,ガイドラインに沿った電子メールを簡単に区別でき,“受信箱”の整理がしやすくなる」(TRUSTe常任理事のFran Maier氏)

 またTrusted Senderは,広告メールを送る側の企業にもメリットがあるという。「(ユーザーから信頼を得られるため)メール応答率と広告の浸透度が高くなる。またインターネット・プロバイダにとっても,大量メールの制御がしやすくなる」(TRUSTe)

 Microsoft社,DoubleClick社,Topica社以外で支持を表明している企業/組織には以下がある。International Association of Privacy Officers(IAPO),Association of Interactive Marketing(AIM),Bigfoot Interactive社,RappCollins Innovyx社,E-Dialog社,ClickAction社,Enterprise Marketing Solutions社,Virtumundo社。

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