米Oracleが,企業間(BtoB)電子商取引の普及促進を図る民間団体RosettaNetの「Solution Provider(SP)Board」に参加した。Oracle社が米国時間3月15日に明らかにしたもの。

 SP Boardは2001年にRosettaNet内で結成された委員会。目的は,主要なRosettaNet Milestone Programと関連業界の取り組みについて,戦略の開発/導入を促進すること。企業向けアプリケーション/ミドルウエア開発業者,システム・インテグレータ,コンサルタント企業,eサービス・プロバイダ,インフォメディアリ(情報仲介業者)が参加している。

 「SP Boardへの参加により,当社は25年以上にわたる関連技術分野の専門知識と経験をもとにRosettaNet標準の普及を支援し,業界全体に対する広範かつ迅速な適用/導入を進める」(Oracle社)。さらに同社は,RosettaNetの「Marketing Leadership Council(MLC)」の委員となり,現行の戦略的計画や取り組みの推進に協力していくという。

 RosettaNetは,情報技術,電子部品,半導体製造,流通に携わる企業が集まり,ハイテク業界向けのオープンなeビジネス取引標準技術の作成を手がける団体。「サプライ・チェーンをまたがるBtoB統合を実現することが,RosettaNetの中心となる目的だ」(RosettaNet CEOのJennifer Hamilton氏)

 Oracle社プロダクト・インダストリ,ハイテク・ビジネス・ソリューション担当副社長のJonathan Oomrigar氏は,「RosettaNet標準を採用した当社のアプリケーションを使うと,ハイテク製造業者は購買にかかる時間を短縮し,新たなビジネス機会を増やし,柔軟な取引ネットワークを手に入れられる」と説明する。

 「RosettaNet標準を当社の統合ソリューションに組み込むことで,当社の顧客はパートナや供給業者とのやり取りの効率を上げることができ,サプライ・チェーン全体で時間と費用を節約できる」(同氏)

 Oracle社は,業務プロセスやデータのモデルを定義する標準インタフェース「RosettaNet Partner Interface Processes(PIP)」を「E-Business Suite」の中核コンポーネントとして採用するという。「これにより供給業者は,顧客やパートナとシームレスに業務を共同で進めることが可能になる」(同社)

◎関連記事
ロゼッタネットなど,IT業界向け電子取引契約の標準「TPA」のドラフト版
ロゼッタネットがテスト・ツール提供などの開発支援策「RosettaNet Ready」発表
ロゼッタネットが実装フレームワークの新版をリリース,セキュリティを強化
電子部品のマーケットプレイス「E2open」がディレクトリ・サービスを開始
米モトローラや米NS,台湾TSMCなど,リゼッタネットのデータ標準を利用開始
米マイクロソフトがRosettaNet対応の「BizTalk Server Accelerator」を発表
BtoBの“本命”がついに始動
企業間電子商取引の標準インタフェース仕様「ebXML」を,国際団体が最終承認

[発表資料へ]