エレクトロニクス業界の企業間電子マーケットプレイスを運営するE2openが米国時間10月16日に,「E2open Process Directory(E2PD)」と呼ぶディレクトリ・サービスを始めたことを明らかにした。

 E2PDは,IPアドレスや認証・セキュリティの管理,法務関連文書,RosettaNetのPIP(Partner Interface Process)マップなどのビジネス・プロセス情報のリポジトリを提供する。

 「リポジトリを提供することで,参加企業は従来のポイント・ツー・ポイント型コネクションに代わり,費用対効果の高い“many-to-many”型ネットワークを構築できるようになる」(E2open社)。E2openは,E2PDの導入拡大を図るためとして,ディレクトリの管理を中立的なサード・パーティに委託する。

 「ディレクトリを利用することでサービスの内容や取引可能な部品などの情報を得ることができ,新規のサプライヤを見つけやすくなる」(E2open)。

 E2openはRosettaNet Information Framework(RNIF)およびUDDI(Universal Description, Discovery and Integration)をベースとしたディレクトリを構築している。トレーディング・パートナがディレクトリ情報を自社のネットワークやサービス・ネットワークでも利用できるようにするためのツール群も,E2openは提供する。これにはディレクトリ情報の保守やサポートの管理サービスなどが含まれる。

 E2open社は,米IBMにサポート・サービスを委託することも明らかにした。IBM社はE2open社の創設メンバーでもある。また,米i2 TechnologiesがE2openのテクノロジ・パートナーとしてE2PDを推進していく。

 E2open社は,米IBM,東芝,日立製作所,松下電器産業,カナダのNortel Networks,米Seagate Technology,米Solectron,韓国LG Electronicsの8社が2000年7月に開設したeマーケットプレイス。一般電子部品や間接材をインターネット上で取引する。2001年4月には日本法人も設置,三菱電気,オムロン,リコー,三洋電機,シャープがStrategic Memberとして参加している。

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