仏Alcatelと仏Thomson multimediaが,DSL技術を用いてエンターテインメント・サービスをテレビに配信するデモンストレーションを行った。両社が現地時間12月18日に明らかにしたもの。

 両社はパリ(フランス)で,電話回線を通して双方向性のある個人向けのテレビと映画配信のデモを行った。「DSL技術の将来における可能性が広がり,広帯域エンターテインメントの新たな時代が開ける」(両社)としている。

 両社のジョイント・ベンチャーであるNextream社のエンコーダを用いた。MPEG-2で1Mバイト/秒以下の帯域に圧縮したデジタル・ビデオなどのマルチメディア配信を可能にする。Alcatel社のキャリア向けネットワーキング製品で通信ネットワーク上のビデオ,音声,データ・トラフィックを管理し,Thomson社のデジタルxDSLデコーダ・ゲートウェイ・セット・トップ製品に送る。

 このDSL技術により,「世界中のサービス・プロバイダはすでに設置している電話回線を使って広帯域エンターテインメント・サービスを顧客に提供できる」(両社)。ちなみにSchema社の調査によると,欧州における消費者の平均45%はビデオ・オンデマンド・サービスに対価を支払う意思が「非常にある」という。

 「DSLはすでにインターネットやビジネスを結ぶ共通のプラットフォームになりつつある。個人向けエンターテインメントの出現はDSLにとって次の大きな発展となる」(Alcatel社会長兼CEOのSerge Tchuruk氏)。

◎関連記事
仏Thomson Multimediaと米Gracenoteがワンストップ・デジタル音楽ソリューションで提携
仏トムソン,従来比べ圧縮率2倍の新MP3コーデックのネットでの無償配布を開始
「急ブレーキの北米xDSL市場,市場規模は44%減少」と米社の調査
拡大するxDSL機器市場,2007年には2.2倍の市場規模に
「米国DSL加入者は引き続き増加,2006年には現在の3.7倍に」と米Yankee Group
「世界のxDSL加入者数,2001年第1四半期末で755万9000人。前期比で34%の増加」---。DSL Forumが発表
「2005年に利用されるDSL向け付加価値サービスは現在の16倍に」,米社の調査
「DSL市場は2005年までに50億ドル規模へと3倍増,持続的成長」と米NPRG

 CATV,衛星インターネット,移動・無線通信,など高速インターネット・アクセスに関する情報は総合IT情報サイト『IT Pro』の「高速インターネット」で詳しくお読みいただけます。

[www.thomson-multimedia.comに掲載の発表資料]
[www.home.alcに掲載の発表資料]