米Pioneer Consultingは米国時間5月24日に,DSL向け付加価値サービス市場に関する調査結果を発表した。DSL業界は不景気風が吹き,サービス・プロバイダと機器メーカーは経済的な困難に陥っている。Pioneer社は,DSL向け付加価値サービスの登場がDSLサービス・プロバイダや機器メーカーに大きなビジネス・チャンスをもたらすとみる。

 DSL向け付加価値サービスには,ビデオ・オンデマンド(VOD),Voice-Over DSL(VoDSL),MPEG音楽配信,対戦ゲーム,ビデオ・コンファレンス,テレビ放送,Virtual Private Network(VPN)などがある。

 2005年には,1600万人以上のDSL加入者が付加価値サービスを利用するようになるとみる。サービス・プロバイダの価格設定にもよるが,DSL向け付加価値サービス市場は158億ドル~266億ドル規模に達すると,Pioneer社は予測する。

 「どの付加価値サービスも加入者にとって魅力的だが,VPNサービスが売上高とユーザー数で他の付加価値サービスをリードする。VPNサービスは多くの企業にとってたいへん重要になっており,その他のサービスは贅沢と考えられるからである」(Pioneer社上級アナリストのMichael Lowe氏)。

■2001年~2005年におけるDSL向け付加価値サービスの普及予測

  2001年末 2002年末 2003年末 2004年末 2005年末
DSL加入者合計(1000人) 4,483 10,982 13,743 15,328 16,165
利用される付加価値
サービスの合計数
(1000) 1,524 6,071 11,891 18,178
DSL加入者1人当たりが
利用する付加価値サービス数
0.34 0.55 0.87 1.19 1.55

出典:Pioneer社

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