米Yankee Groupが米国時間7月26日に,米国のDSL市場に関する調査結果を発表した。過去1年間でデータ関連の競争的地域通信事業者(DLEC:data competitive local exchange carriers)の投資が激減し,通信市場全体が大幅に落ち込んだものの,DSLの導入は引き続き進むという。

 リモート端末の機能や性能の向上,既存地域通信事業者(ILEC)の適度な事業拡張,長距離電話会社(IXC)の市場参入などがDSL導入を後押しする。機器に要するコストの低下や運営効率の向上により,1年前よりも費用対効果の高いビジネス・モデルを築くことが可能になっている。

 「DSL事業をやめたDLECや小規模キャリアのほとんどはILECとサービス地域が重なっていたからだ。広帯域への市場の需要は依然として高い。短期的な微調整はあるものの,今後5年間に米国加入者は予想通り増え続ける」(Yankee Group社E-Networks & Broadband Access調査およびコンサルティング・プラクティス部門プログラム・マネージャのMatthew Davis氏)。

 2001年末時点のDSL加入者数は450万人の見込み。330万人が家庭ユーザーで,残りの120万人がビジネス・ユーザーである。2006年には合計DSL加入者数が1670万人に達し,家庭ユーザーは1250万人にのぼるとみる。

 CATV,衛星インターネット,移動・無線通信,など高速インターネット・アクセスに関する情報は総合IT情報サイト『IT Pro』の「高速インターネット」で詳しくお読みいただけます。

◎関連記事
「世界のxDSL加入者数,2001年第1四半期末で755万9000人。前期比で34%の増加」---。DSL Forumが発表
【SUPERCOMM 2001速報】DSL Forumが新規格で39社の相互接続テスト。8チャネル取れるVoDSL技術も標準化へ
DSLベンダー12社が“CVoDSL"を標準化へ,1本の電話回線で8チャネルの音声通信
「2005年に利用されるDSL向け付加価値サービスは現在の16倍に」,米社の調査
「DSLAM市場が2001年Q3から急拡大へ,VoDSLがキラー・アプリ」と米調査会社
「DSL市場は2005年までに50億ドル規模へと3倍増,持続的成長」と米NPRG

[発表資料へ]