米IDC(International Data Corporation)が米国時間12月7日に,「世界的な経済不況が世界のサーバー市場の成長を阻んでいる」などとする調査結果を明らかにした。世界市場における2001年第3四半期の工場出荷額は107億ドルで,前年同期の152億ドルに比べ30%減となった。「下落が最も激しかったは米国だが,米国以外の地域も引き続き不況の影響を受けている」(IDC)

 このことから今後2四半期にかけては価格戦争が激しくなるという。「とりわけエントリー・サーバーでそれが顕著」(同社Global Enterprise Server Solutions部門副社長のVernon Turner氏)という。

 2001年第3四半期における,上位ベンダー5社のシェア(出荷額ベース)は以下の通り。

■世界市場における出荷額ベースのシェア
     1. IBM                   26%
     2. Compaq Computer       16%
     3. HP(Hewlett-Packard) 15%
     4. Sun Microsystems      12%
     5. Dell Computer          8%

出典:IDC

 SIAS(Standard Intel Architecture Servers)の出荷台数は前期比1%増にとどまった。この分野では米Compaq Computerが出荷台数のシェア26%で首位となっている。このあとを米Dell Computerがシェア20%で追っている。なお米国だけでみると,Dell社のシェアは28.8%となり,Compaq社の28.3%を若干上回っている。

 IDCでは,「SIAS市場における,首位争いのすさまじい競争は今後も続く」(Internet Infrastructureプログラム,リサーチ・マネージャのMark Melenovsky氏)とみている。また同氏は,「価格競争に加え,顧客がサーバーの支出を抑える傾向があるため,SIAS市場の短期的な見通しはかんばしくない」と説明する。

 UNIXサーバーの出荷台数は前期比11%減となった。出荷額は19%減である。この市場では米Sun Microsystemsが世界市場と米国市場で首位を維持している。同社のそれぞれのシェアは28.8%と36%。これに続くのが米HP(Hewlett-Packard)で,そのシェアはそれぞれ28.5%と27%。

 価格が100万ドルを超えるハイエンド・サーバーの世界市場では,工場出荷額の前年同期比が27%減となった。これは,主要なアプリケーションをデータ・センターへ移行する傾向が続いていることを示しているのだという。なお米IBMが「zSeries (S/390)」の売上高を前年同期比で21%近く伸ばしており好調である。しかし「IBM1社だけではハイエンド・サーバー市場全体の減退を補えない」(同社Global Enterprise Server Solutionsリサーチ・ディレクタのSteve Josselyn氏)という。

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