米Compaq Computerが米国時間12月5日に,サーバー製品に関する新たな構想を明らかにした。「Adaptive Infrastructure」(適応力のあるインフラストラクチャ)と呼ぶ同社のサーバー戦略で,これに向けてサーバーのハードウエア/ソフトウエア技術を拡充していくという。

 Adaptive Infrastructureは,すべての規模の企業に向けるという。「企業が,市場や人的資源,技術資源の変化に適応できるようにし,ダイナミックなビジネス環境のなか顧客に迅速に応えられるようにする」(同社)

 この構想の目的は,「いつでも,どこでも管理機能やその適応力を提供すること。次世代「『ProLiant』製品系列をベースとした技術やソリューションの基盤となるもの」とCompaq社は説明する。 具体的には同社が今後提供するハードウエアとソフトウエアで実現していく。

 ハードウエアは,コードネームで「QuickBlade」と呼んでいたもの。今回の発表で同社はQuickBladeの正式名を「ProLiant BL」としたことを明らかにした。ProLiant BLは2002年の早い時期に大量出荷する予定である。

 一方のソフトウエアは「ProLiant Essentials Software」と呼ぶ。こちらもProLiant BLの出荷時期と合わせて市場投入する予定。ProLiant Essentials Softwareでは以下の機能を提供する。

・「仮想的配置/制御」― コンピュータや記憶装置,ネットワークといったリソースに対して,これらリソースがどこにあろうとも,安全にアクセスし制御できるようにする。

・「システム・プロビジョニングの自動化」― システムの配置や管理の変更といった場面において,そのライフサイクル全般にわたるリソース管理のタスクを自動化する。

・「インテリジェントなフォールト・レジリエンス(障害許容力) 」― 障害の予測や診断,潜在的な障害に対して即時的に対応する。

・「動的なリソース調整」―コンピューティング・リソースを時間や場所に応じて動的に調整し,リアルタイムで提供する。

 なおすべてのProLiantサーバーに「ProLiant Essentials Foundation Pack」と呼ぶパッケージを付けて出荷する予定。これにはシステム管理ツール「Insight Manager」やセットアップ・ツール「SmartStart」も同梱する。また既存のProLiantサーバー(「ProLiant ML」や「同DL」製品系列)のユーザー向けて別売りパッケージ「ProLiant Essentials Value Packs」も用意する。

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