米Cahners In-Stat Groupが米国時間11月19日に、CATVヘッドエンドに使われるデジタル機器/装置の世界市場について調査した結果を発表した。同社はこれら機器/装置の今後5年間の年平均成長率(CAGR)を35.8%と予測する。出荷台数ベースの市場成長率である。

 CATVインフラは,双方向ボイス・テレフォニや,高速インターネット・アクセス,ビデオ・オンデマンド(VOD)といった新しいサービスに対応するため,帯域幅の拡大や双方向通信の提供が求められている。このため現在インフラの再構築が進められている。同社が予測する年平均成長率はこの状況を考慮したものである。

 また,CATVヘッドエンドやそのほかの配信設備に向けたデジタル機器/装置の売上高ベースの市場規模は,2001年中にも2億8600万ドルを超える。その後さらに急増し,2005年には7億4300万ドルを超える規模にまで増大するという。

 デジタル・ケーブル・システムは今後顧客に各さまざまな機能/性能を提供していくことになる。これに伴い「サービス提供者にもさまざまなビジネス機会をもたらしていく」(同社主席アナリストのGerry Kaufhold氏)。「複数地域でCATVサービスを提供する事業者(Multiple System Owners:MSOs)はすでに双方向やIP(Internet Protocol)といった技術に取り組んでいる。しかし多くの小規模事業者はまだである。とりわけ農村地域の事業者は投資の合理性を見いだせないだろう」(同氏)

 北米において,消費者向け双方向デジタル・ケーブル・システムに必要となる機器の市場がピークを迎えるのは2003年。そのためケーブル業界は2004年にも企業市場に焦点をあてていく必要が出てくるという。

 このほかの調査結果は以下の通りである。

・2005年までは,北米が最大のシェアを維持するが,その後北米のシェアは縮小していく。2001年のシェア71.7%が2005年には50%を少し超える程度にまで縮小する。

・北米に次ぐ大きな市場は西欧。ただしこの状態は2004年まで。2005年にはアジア太平洋地域が西欧を追い抜き2位につく。これ以外の地域(ROW:Rest of the World)の国々におけるビジネス・チャンスはごくわずかであり,それも特定のものに限られる。

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