米IDCは米国時間6月25日,ケーブル・モデムの世界市場に関する調査結果を発表した。それによると2000年は,ケーブル・モデムのサービス加入者数が約178%増の720万人に達し,モデム機器の売上高は122%増加した。IDCは,今後も加入者が増え続け,2005年には2000年の約8倍の5750万人に達するとみる。

 「家庭で仕事をする社員やインターネットのパワー・ユーザが増えたため,ケーブル・モデムの需要が住宅向け市場で急速に拡大した。今後の成長は,画像やビデオを満載したアプリケーションの普及によって後押しされる」(IDC,Broadband Markets and Technologiesプログラム部門プログラム・マネージャのAmy Harris氏)。

 2000年における米国のケーブル・モデム・サービスの加入者数は,171%増の380万人だった。他のどの地域と比べても3倍以上加入者数が多く,世界市場の53%を占めている。しかし今後数年間でDSLに地歩を奪われ始め,米国のシェアは36%へと減少する。

 一方西欧では,ケーブル・モデム・サービスの加入者数が急増する。2000年の100万人から,2005年には約1770万に達するとみる。また同じ期間に,世界の加入者数のうち西欧が占める割合は14%から31%へと拡大する。

 世界中で加入者数が増加する一方で,拡張性やコンテンツ配信に関する問題,他の広帯域接続技術との競争といったさまざまな課題に直面するとIDCは指摘している。

 「顧客を確保するためには,サービスの安定,簡単で迅速な導入プロセス,他の広帯域接続サービスに太刀打ちできる価格設定などを実現しなければならない」(IDC,Broadband Markets and Technologiesリサーチ部門ディレクタの Brad Baldwin氏)。

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