米VoiceStream Wirelessが米国時間11月14日に,全米で利用可能な高速無線データ・サービス「iStream」を発表した。無線を使った電子メールの送信や,ノート・パソコン,Pocket PCからのインターネット・アクセスが可能になる。

 iStreamサービスを利用するには,音声通話料金に毎月2.99ドルの追加料金が必要。インターネット対応電話から米Microsoftの「Outlook」または米IBMの「Lotus Notes」の電子メール,住所録,スケジュールにアクセスできる。また米ViAirの「WirelessInbox」を使うことで最大10件の電子メール・アカウントを使用できる。

 これに伴いVoiceStream社の販売店と同社のオンライン・ストアでは,iStreamの利用が可能な米Motorolaのインターネット対応電話「T193」を販売する。割引後の価格は49.99ドル。販売は2002年1月まで行うという。

 iStreamサービスではこのほか,米America Online(AOL)のオンライン・ストア「Shop@AOL」で使用できる25ドルの商品券を付ける。

 VoiceStream社は,ノート・パソコンやPocket PC対応機器で高速無線インターネット接続を行うためのサービスも提供する。料金は19.99ドルと39.99ドルの2種類を用意し,それぞれ90ページ,180ページのWWWページ・アクセス,約850件,約1700件の電子メールの利用ができる。利用するには,Motorola社のインターネット対応電話「P280」をノート・パソコンなどに接続する。P280は,VoiceStream社の販売店と同社のオンライン・ストアで169.99ドルで販売する。

 「ほかの無線インターネット・サービスと違い,iStreamでは“常時接続”が可能。このため通信時にログオンやダイヤル・アップの操作が不要だ」(VoiceStream社)

 同社によると,iStreamネットワークの通信速度は最高56kbps,平均で最高40kbps。「通信速度は家庭からのダイヤル・アップ接続に匹敵する。ほかの無線ネットワークでは最高で9.6kbpsに過ぎない」(同社)。

 iStremaネットワークは,GPRS(General Packet Radio Service)に対応したサービスで,VoiceStream社のGSM(Global System for Mobile Communication)ベースの無線ネットワークを拡張したものだという。

 さらにVoiceStream社は,カナダMicrocellとのあいだでローミング契約を締結した。北米全域で高速モバイル・データ・ネットワークを提供していく。

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