米Allied Business Intelligence(ABI)が米国時間9月19日に,「家庭用無線ネットワーク市場は2000年の1億2300万ドルから2001年には2億4300万ドル規模へと倍増する」との分析を発表した。IEEE 802.11b準拠の無線LANソリューションが大きく拡大するという。

 2006年の市場規模は24億ドルに達する。

 2000年の家庭用ネットワーク市場は,既設の電話線を使うHomePNA準拠のソリューションが63%を占め,無線のシェアは34%だった。今後,ベンダーによる無線ソリューションの投入が増大し,価格は下落することから,ユーザーが大きく拡大する。2006年には無線の比率が半数近い48%の規模に成長するとABI社は予測している。

 2000年の家庭用無線ネットワーク市場をみると,HomeRF(radio frequency)が58%,802.11bが42%だった。2001年には,両者のシェアが逆転し,802.11bが71%以上の規模へと大きく拡大するとABI社はみる。

 「今後数年のうちに,無線ネットワーク市場では802.11bが主流となり,HomeRFの利用はわずかにとどまる」(ABI社)。

 ABI社は,802.11b技術が大きく拡大する要因について,802.11bベンダー企業が積極的にソリューションを拡大しているのをはじめ,米IntelがHomeRFから802.11bへと“鞍替え”したことも大きいと指摘する。「今後HomeRF技術が生き残れるかどうかは,この5月にリリースされた「2.0」版に対応するソリューションにかかっている」(ABI社)。

 HomeRF 2.0は,データ伝送速度10Mビット/秒。128ビットの暗号技術に対応するほか,電子レンジやコードレスフォンなど家庭内の機器との干渉を防ぐ措置を施している。

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