家庭向け無線ネットワーク技術の標準化を進める非営利団体Home RF Working Groupが米国時間5月2日に,仕様の新版となる「HomeRF 2.0」を正式に承認したことを明らかにした。

 「HomeRF(radio frequency)」は家庭内のコンピュータ,電話,TV,オーディオ機器などをネットワーク化する無線技術である。新版の「2.0」では,最高データ伝送速度を旧版の1.6Mビット/秒から10Mビット/秒に引き上げた。128ビットの暗号技術に対応するほか,電子レンジやコードレスフォンなど家庭内の機器との干渉を防ぐ措置を施した。。

 HomeRF Working Groupのメンバー企業が5月8日から10日にかけて米ラスベガスで開催される見本市「NetWorld + Interop 2001(N+I)」で「2.0」準拠の技術を初披露する。

 これに関連して,米Proximが同見本市で「2.0」準拠の無線技術の公開デモを行うことを,米国時間5月3日に明らかにした。

 HomeRF準拠の製品としては,これまでにもProxim社のほか,米Intel,米Compaq Computer,米Motorola,米Siemensがすでに投入している。ただし,Intel社については,2001年3月にIEEE 802.11bへの移行を明らかにしており,これについて米Allied Business Intelligence(ABI)が,「HomeRFの取り組みに大きな打撃を与える」とする分析結果を明らかにしている。

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[発表資料]
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