米Cahners In-Stat Groupが米国時間4月16日に,無線LAN市場に関する調査結果を発表した。企業向け無線LAN市場は景気低迷を乗り切り,2005年にはエンド・ユーザー・ベースで約46億ドル規模に達するという。

 しかし大幅な価格低下が続くため,売上高の伸び率は出荷台数の増加率をはるかに下回る。市場を牽引するのは,「IEEE 802.11b」や「同802.11g」に準拠した「Wi-Fi」認定製品である。

 「802.11b対応製品は特に教育,ヘルスケア,金融業界での利用が多いが,価格引き下げにより,2001年~2002年には他の業界でも急速に導入が進むだろう」(In-Stat社Voice and Data Communications Service部門業界アナリストのGemma Paulo氏)。

 2002年には比較的価格の高い5GHz製品が市場に登場し,エンド・ユーザー向けの売り上げの伸び率が高まるとみる。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・米国のITプロフェッショナルによると,企業が無線LAN技術を導入しない主な理由は,「まだ必要性が低いから」だという。

・無線ネットワークにおける最大の課題は,標準的な企業ネットワークのハードウエアとソフトウエア機能に適した水準まで達していないことである。

・D-Link社や米Linksysといった新規参入メーカーの製品(NICなど)が,米Agere Systemsや米Intelなどの先行メーカーの値下げを促している。

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