米Cahners In-Statが米国時間4月4日に,「家庭内ネットワーク向け機器市場は2000年に97%成長し,2億9000万ドル規模となった。2001年には5億8500万ドルへと大きく拡大する」とする調査結果を発表した。

 In-Stat社によれば,特に無線ネットワークのカテゴリで伸びが大きかったという。

 「ネットワーク機器は,IEEE 802.11bベース,HomeRFベースとも販売が好調で,特に第4四半期に著しい伸びをみせた」(In-Stat社ディレクターのMike Wolf氏)。

2000年の家庭用無線ネットワーク市場の製品別売上高は,米Agere Systemsが提供する無線LAN製品「Orinoco」が家庭用無線ネットワーク機器市場で約37%のシェアを獲得して,首位に立った。なお,Agere社の前身は米Lucent TechnologyのMicroelecoronics部門。Lucent社から2000年12月にスピンアウトして設立された。

 また,米Proximの「Symphony」がシェア25%で2位となった。Symphonyは他社の競合製品と比べ,価格を抑えている。

 電話線を使った家庭用ネットワーク製品の市場では,米Intelが53%のシェアを獲得し,ダントツの首位。

 In-Stat社によれば,無線,電話線の両市場とも,新規参入企業が相次ぎ,競争が激化しているという。また無線や電話線向けの機器の伸びが目立つが,Ethernetも低コストのソリューションとして引き続き拡大している。

 In-Stat社によるその他の調査結果は以下の通り。

・家庭ネットワーク向け新製品や無線対応製品の価格は今後も下落していく。

・ユーザーは広帯域接続を導入し,家庭内ネットワークの利便性を実感しつつある。

・ネットワーク機能や広帯域対応を強化した「Windows XP」が2001年第4四半期にリリースされる予定であり,これがパソコンの買い替え需要を喚起する。

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