旅行の予約サービスやマーケティング,販売事業を手がける米Sabre Holdingsが米国時間9月19日に,2001年第3四半期の業績予測を下方修正した。9月11日の同時多発テロの影響を受け,旅行業界が低迷していることが理由。

 Sabre社は,「現時点で正確な予測を行うことは難しい」としながらも,「もし交通機関における運行が9月の最後の3週間にわたり45~60%減少した場合,Sabre社の2001年第3四半期の1株当たり利益は0.35~0.45ドルの範囲にとどまる」という。また売上高は5億2000万~5億4000万ドルとなり,継続事業ベースの前年同期の売上高に比べて5%~9%増にとどまる,と予測している。

 「今年前半に米国では企業の出張が減少した。それにもかかわらずSabre社の第3四半期の業績はこれまでの予測通りに順調だった。また通年の業績は利益が20%増,売上高は2桁台の後半を見込んでいた。ところが11日のテロで旅行業界は大きな影響を受けており,我が社も短期業績予測の修正を余儀なくされた」(Sabre社会長,社長,CEOのWilliam J. Hannigan氏)。

 なお長期的な業績予測については,「自信をもっている」(同氏)という。「我々のバランスシートは問題ない。今回の事件は大きな混乱ではあるが,我々の戦略に変更はない」(同氏)。

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