米American Airlines米Delta Air Lines米United Airlinesの航空3社は米国時間6月13日に,米Boeingと提携し,旅客機内で双方向の広帯域ネット接続サービスを提供すると発表した。

 3社とBoeing社の広帯域通信サービス事業であるConnexion by Boeingは,このための共同出資会社を設立することで合意に達した。新会社は,「全世界の乗客にインターネット,電子メール,企業イントラネット,テレビ放送,エンターテインメントなどのサービスを提供していく」(3社)。

 新会社の大株主はBoeing社となり,同社が全体の経営権を握る。この契約のもと4社は,それぞれの資金,特定の知的財産,資産などを提供し,新会社の運営にあたるとしている。これにより航空3社は,1500機の航空機に新会社の高速インターネット接続サービスを導入する。サービスの名称は「Connexion by Boeing」を使う。サービスの最初の導入は2002年後半を予定する。

 次の段階として,4社は,サービスの開発や事業計画の推進にあたり,新たなサービス立ち上げていくとしている。

 「現在の市場にはこれに匹敵するサービスはない。我々航空3社は,航空機内のネット接続に関する知識を提供していく。結果としてこのサービスの恩恵を受けるのは乗客である」(United Airlines社マーケティング上級副社長のLarry DeShon氏)。

 Connexion by Boeingは,飛行中の旅客機内環境に広帯域のネット接続サービスを提供するというBoeing社の取り組み。高速でケーブル品質のインターネット/企業イントラネット接続サービス,データ・サービスなどを提供することを目指している。サービスには,乗客向けのサービス(インターネット,企業イントラネット,電子商取引,ライブ・テレビ放送,エンターテインメント,データ送受信,ショッピング,旅行情報など)のほか,航空会社も従来の通信手段ではアクセスが不可能だった航空機や乗務員のデータを得られるようになり,そのメリットは大きいという。

 なお3社は,民間航空機に関する調査結果を引用している。それによると,現在の全世界のジェット旅客機の数は1万4500機。この数は年間4.8%の増加率で増えているという。また現在1日に470万人の人々が4万1500の飛行便に利用しているという。

関連記事
【TechWeb特約】米航空5社が運営の販売サイト,消費者団体などが営業禁止命令求める
航空機産業も無線活用の時代,米PWCと米HPがソリューション・センター開設
「オンライン旅行代理店を脅かす航空会社サイト」,米ジュピターの調査
「ネットで中抜き」が起こりつつある旅行業界
JR東日本の指定席予約サービスが快走
米国のオンライン旅行市場が急成長,2003年には252億ドル規模へ
米EDSとSabreが数十億ドル規模の提携, 旅行業界向けのビジネス・モデルを共同開発

[発表資料へ]