東日本旅客鉄道(JR東日本)が日本航空(JAL),JTBと共同で開設した総合旅行サイト「えきねっとTravel(http://www.eki-net.com/)」のJR指定席予約サービスが好調だ。1日当たり900~1000件と,4月27日のえきねっとTravelのサービス開始以前に比べて予約件数が倍増した。サービス開始2日目の4月28日には,過去2番目に多い1400件もの予約が1日で入った。JR東日本は,半年後の2001年秋には1日の予約件数が5000件に達すると予測している。

 予約数増加の牽引車は,サイトで利用できるクレジットカードの種類を大幅に増やしたこと。えきねっとTravelではJCB,VISA,Masterといった主要カードで,指定席を予約できるようになった。これまでJR指定席のインターネット予約の利用は,JR東日本が発行するクレジットカード「Viewカード」の会員に限られていた。

 JR東日本は2000年4月から,Viewカード会員約200万人に限定してインターネットを使った指定席予約サービスを提供してきた。だが当初から,他のカード会員からも指定席予約を利用したいとの要望があり,1年後の今年4月末になって,ようやく利用可能なカードの種類を増やした。このタイミングでJRだけでなく,航空券や旅行の予約まで一つのサイト内で実施できるようにするため,JR東日本は業界最大手のJALとJTBに声をかけ,総合サイトの開設に動いた。

 えきねっとTravelでは,JR指定席の予約だけでなく,JALの航空券やJTBの旅行パッケージまで購入できる。3社がそれぞれ提供している旅行商品を一覧表示して比較し,購入することもできる。ただし,目玉である航空券や旅行商品の販売実績はまだ少ない。開業から2週間が経った現在,航空券の予約件数は約20件,旅行の予約は数件に過ぎない。「まずはサイトの認知度向上が課題だ」と,JR東日本営業部ITプロジェクトグループリーダの浦野英示副課長は決意を語る。

川又 英紀=日経コンピュータ