音響信号処理技術の開発を手がける米Dolby Laboratoriesがドイツ時間8月24日に,「In-Car Entertainment」と呼ぶ車載サラウンド・サウンド・システムに向けた取り組みについて明らかにした。

 これに伴い,同社はドイツのベルリンで8月25日から開催される民生機器の展示会,Internationale Funkausstellung(IFA)で同社の技術のデモンストレーションを行う。

 会場では「Dolby Pro Logic II」「Dolby Headphone」「Dolby Digital」といったDolby社の技術を使った車載エンターテインメント・システムを搭載する自動車を公開し,来場者にこれらの技術を体験できるようにする。

 Dolby社はこの取り組みを「単純にサラウンド・サウンドを移動中の環境で実現するもの」(Dolby社の民生機器欧州マーケティング部門マネージャのDavid Fraser氏)と説明する。「我々は映画館,家庭,そして航空機にまでサラウンド・システムをもたらしてきた。これからは道路で移動中に楽しめるようになる」(同氏)。

 また,最近の自動車には複数のスピーカが組み込まれていることが多く,サラウンド・サウンドの再生に適しているのだという。

 「Dolby Pro Logic IIは,ラジオ番組やCD,MDなどあらゆるステレオ・ソースに対応しており,移動中の車内で5チャンネルのサラウンド・サウンド再生が可能になる。Dolby Headphoneでは従来のステレオ・ヘッドホンでDolby Digitaの5スピーカ再生システムを楽しむことができる。これを使えばドライバーの邪魔をせずに後部座席でフル・サラウンドのサウンドが楽しめる」(同社)。

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