米Motorolaがテレマティックス(無線データ通信システム)システム「iRadio」に関して,米IBMからJavaと音声認識技術のライセンス供与を受けたことを明らかにした。1月6日から米国ラスベガスで始まった民生機器の見本市「Consumer Electronics Show(CES)」で発表したもの。

 両社は昨年(2000年)1月にテレマティックスで提携関係に入っており,今回のライセンス契約はその一環となる。Motorola社がライセンス供与を受けるのは,Java開発ツールの「VisualAge Micro Edition」と音声認識技術の「IBM Embedded ViaVoice Multiplatform Edition」である。

 Motorola社のiRadioは,エンターテインメント機能やナビゲーション機能,緊急時通報機能,電子メール機能,ハンズフリーの電話機能などを組み込んだ車載システム。IBM社からJava技術と音声認識技術のライセンス供与を受け,iRadioの機能向上とアプリケーション拡大を図る。

 iRadioの製品化は2001年の早い時期を予定する。クルマに搭載されるのは18~24カ月後とMotorola社は見込んでいる。

 なお米国の調査会社Allied Business Intelligence (ABI)によると,ナビゲーション・システムや高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transportation Systems)市場で最も利益を上げる分野はテレマティックスという。個人車両向けの車載情報システム(IVIS:in-vehicle information system)市場は2000年の10億ドルから2005年には80億ドルを超える規模に達すると予測している。そのうち30億ドル以上はサービス収入によるものという。

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[発表資料]