米IDCが米国時間7月16日に,インターネットを介した求人「eリクルーティング」の世界市場に関する調査結果を発表した。市場は2000年の16億ドルから2005年には134億ドル規模に成長するという。

 「より効果的かつ効率的な方法で適材を雇用することは,現在の経済状況において非常に重要だ。これに世界的な人材不足という要素が加わり,eリクルーティング・サービスの需要を高めている」(IDC社eRecruitingプログラム部門上級アナリストのChristopher Boone氏)。

 売上高ベースでみた最大市場は北米。単にオンラインで募集情報を告知するものから,インターネットを介してすべての採用プロセスを処理するサービスへ移行中である。

 最も急速に成長する市場はアジア太平洋地域。2000年~2005年に年平均成長率67%で拡大するとみる。既存のサービス・ベンダーはサービスのグローバル化を進め,この地域でのチャンスを狙う。

 西欧も伸びており,北米に次ぐ市場に成長している。失業率の減少とインターネットの普及により,eリクルーティングの注目市場となっている。

 しかし,eリクルーティングを手がける企業は世界の各地域に合わせて戦略を変える必要がある,とIDCは指摘する。「世界の各地域では,求人や採用に関する独自の慣習や規制がある。eリクルーティング・プロバイダが世界で成功するためには,現地の事業所を開設し,トレンドを把握したうえで地域のニーズに合ったコンテンツやサービス,ツールを提供するべきである」(IDC,Workforce Management Services調査部門ディレクタのEllen Julian氏)。

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