「かつての記録的な人材不足はおさまりつつあるものの,中間管理職,上級管理職,専門職,営業職,マーケティング,技術者の需要は依然として高い」などとする調査結果を,米Management Recruiters International(MRI)が米国時間7月10日に発表した。
約4700人の経営者を対象に調査したところ,43.8%が「2001年後半に従業員を増やす予定」だと回答した。2001年前半と比べて15ポイント減っている。「現在の従業員数を維持する」という回答者は45.2%で,2001年前半より9.9ポイント増加。「減らす」という回答者は11%で,2001年前半より5ポイント上昇した。
「過去2年にわたる異常なほどの人材不足は完全におさまった。しかし,専門職や管理職への需要は決して衰えていない。これは正常なレベルに戻っているだけで,我々が“たいへん健康的”と考えた90年代半ばの状況と類似している」(MRI社社長兼CEOのAllen Salikof氏)。
地域別でみた場合に,旺盛な新規雇用計画を持っているのはニューイングランドの52.4%である。しかし,新規採用を行う予定の企業数はすべての地域で減少している。
■2001年後半に従業員増加を予定している割合(地域別)
2001年後半 従業員増加を 予定している割合 |
ポイント増減 2001年1月時点 の割合との差 |
ポイント増減 2000年6月時点 の割合との差 |
|
ニューイングランド | 52.4% | -14.3 | -17.2 |
大西洋中部 | 51.5% | -13.8 | -6.1 |
西部 | 45.9% | -18.4 | -19.5 |
南西部 | 44.8% | -23.2 | -6.3 |
中西部 | 43.4% | -13.2 | -3.9 |
中北部 | 41.7% | -11.3 | -7.7 |
大西洋南部 | 40.3% | -16.8 | -9.3 |
中南部 | 35.6% | -13.9 | -6.8 |
出典:MRI社
■2001年後半の新規採用計画(業界別)
業界 | 増やす | 現状維持 | 減らす |
製薬 | 62.0% | 31.8% | 6.2% |
通信 | 53.4% | 33.3% | 13.3% |
建設 | 53.1% | 39.5% | 7.4% |
情報技術 | 48.9% | 39.7% | 11.5% |
小売り販売 | 48.7% | 41.6% | 9.7% |
食品 | 47.0% | 44.7% | 8.3% |
保険 | 46.6% | 46.6% | 6.8% |
ヘルスケア | 42.5% | 50.2% | 7.3% |
印刷 | 42.4% | 51.5% | 6.1% |
エネルギー | 42.2% | 44.4% | 13.3% |
金融サービス | 40.3% | 46.8% | 12.9% |
エレクトロニクス | 39.8% | 46.0% | 14.2% |
Real | Estate | 38.5% | 60.0% |
輸送 | 36.6% | 50.6% | 12.8% |
金属 | 35.9% | 48.5% | 15.5% |
機会 | 31.3% | 53.0% | 15.7% |
化学 | 28.3% | 53.1% | 18.6% |
出典:MRI社
「企業は依然として人材が不足していることを認識しており,競争力を維持するためには才能のある人材の採用を見送るわけにはいかない。多くの業界で,ある部門の従業員を削減しても他の部門に社員を補充するといったことがみられる。また,企業は優秀な社員の確保に必死だ。なぜなら最良の人材が良いビジネス・チャンスを生むからだ」(同氏)。
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