米META Groupが米国時間6月14日に,IT関連の労働市場について調査した結果を発表した。500社の大手米国企業を対象に調査したところ,約60万人ものIT社員が不足しているという。

 ネットワーキング,データベース管理,サプライ・チェーン・コラボレーション,コマース・チェーン管理といった分野のスキルを持つIT社員が不足している。

 ちなみに過去5年間におけるIT社員不足のピークは2000年の約100万人だった。

 「企業は人材資産を最大限に活用する効率的なポリシを考え出すべきである。IT部門の技術や専門スキルにばかり焦点を当て,ITの価値連鎖を生み出すその他の重要な人材を見逃している」(META Group社Executive Services部門プログラム・ディレクタのMaria Schafer氏)。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・ネットワーキング,WWW開発,Java,データベース,インターネット/イントラネット/エクストラネット,無線,通信,従業員の遠隔サポートなどの分野で人材不足が見受けられる。

・IT社員に支払う給与が非IT社員と比べて10%~20%高いという企業は68%。昨年の42%から26ポイント増加した。

・企業が抱える懸念事項は,「IT社員の給与」が1位。2位は「事業の拡張とインフラ開発」,3位は「e-businessアプリケーションの管理と開発」だった。

・企業の60%がIT社員にボーナスを支給している。昨年は50%だった。

・従業員確保の懸念はやわらいでいるが,それでも60%の企業が深刻な問題としてとらえている。昨年は77%だった。

◎関連記事
「2001年におけるIT求人数は90万人,熟練社員の不足は42万5000人」とITAA調査
米国IT企業の海外アウトソーシング,「英語力」「人材」など4項目を重視
「米国のIT人材派遣市場は2004年に428億ドル規模」,米データクエスト調査
「従業員のスキル不足に頭痛めるハイテク企業」と英エコノミスト
「2004年の事業プロセス・アウトソーシング市場は3億100万ドル」と米調査
ITプロジェクトの40%が不成功,平均で年間100万ドルをムダに---米社調査
「米国のIT従事者は450万人しかいない」IDCが米IT業界団体の報告に異論

[発表資料へ]