米Gartner Group Dataquestが米国時間3月1日に,事業プロセス・アウトソーシング(BPO:Business Process Outsourcing)市場に関する調査結果を発表した。日常の業務を外注する企業が増えるとともに,BPO市場の規模は2000年の1250億ドルから2004年には3010億ドルまで拡大する。金融や会計,人材といった分野が大きく成長するとDataquest社は予測する。

 多くの企業は現在こうした業務処理をバラバラに依頼しているが,今後は複数の業務処理に対応した「マルチプロセス」のアウトソーシングが成長する。2004年にはマルチプロセス・ソリューションがBPO支出のうち少なくとも25%を占めるようになる。

 「長期にわたる経済不振のため企業は中核事業に専念せざるをえなくなり,それ以外の業務処理については社外の専門家に任せることを検討している。しかし多くの企業はまだ成り行きを見守っている状態だ」(Dataquest社世界ITサービス・グループ上級アナリストのRebecca Scholl氏)。

 BPOの導入を促すツールとしては,WWWベースのコラボラティブ・アプリケーションやセルフ・サービス技術などが挙げられる。ユーザーは,定期報告やWWWを介した情報へのアクセスを通じて,外注した業務内容を引き続き管理することができる。

 ハイテク関連やインターネット関連のドットコム企業は,電子商取引の注文処理や事務処理にBPOの利用を考えている。

 「ドットコム業界の低迷により,ローエンド市場を狙ったBPOやビジネス・サービス・プロバイダ(BSP)への需要は鈍化しているが,長期化するものではない。企業はBPOを,特に経済低迷の時期におけるコスト抑制の一手段と認識するようになる」(同氏)。

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